本当にやりたいかどうかわからないのはなぜか︖

スタッフのつぶやき

「細分化」する

この「本当にやりたいかどうかわからない」という悩みは2段階あり、1つ目に「好きな事が⾒つからない」という段階と、2つ目に「好きな事があるけど仕事にならない」という段階です。
このように2段階に分かれているのに、「好きなこと」と「仕事にすること」を⼀緒に考えるから、皆よく分からなくなるわけです。ですが、しっかりと「細分化」して考えれば1つ1つの問題は⼤したことではありません。手順は以下の通りです。
1. まず好きなことを認識する
2. 次に、それを仕事にすることを考える

好きな事が分からない・⾒つからない理由

「好きなことが分からない」という⼈がやっている⾏動は、「儲かりそうだから」「成功しそうだから」「流⾏ってるから」と⾔った基準がとても多いです。でも、大抵は「好きなこと」が「儲かりそうなもの」の中にあることはありません。さて、その上で「好きなこと」というのを細分化すると、以下の4種類に分類できます。

「好きな分野
「好きな作業
「好きな環境
「好きな報酬


こんな作業で、こんな環境で取り組み、こんな報酬を得られる。これら4種類の全てが満たされていれば、かなり好きということです。逆に、これらのどれかが⽋けた時に、その⾏為が嫌になります。
例えば、「会社員を辞めたい」という⼈に話を聞くと、「そもそもこの業界に興味がない」、「⼈と話すことが好きではない」「労働時間が長すぎる」、「給与が少ない」と分野、作業、環境、報酬の4つのいずれか、もしくは全てを問題にしているから、「辞めたい」というわけなのです。やめる以外の解決策もあるとは思いますが、それは今回はちょっと置いておきます。

すまいるさん
すまいるさん

ああ、ちょっと置いておくんですか

好きなことを⾒つける⽅法

分野、作業、環境、報酬の4つを⼀つずつ、飽きない分野は何か?当たり前にできる得意な作業は何か?安⼼できる労働環境、⼈間関係は何か?お⾦以外のどんな報酬が魅⼒なのか?ということを考えていくだけでも、⾃ずと好きなことは⾒つかっていくはずです。

例えば私の場合は、
(分野)問題が複雑化された分野で(ビジネスなど)
(作業)思考するという作業で
(環境)⾃由に⾃分で環境を作るという⽅法で
(報酬)「真実が明らかになる」という報酬を得る
ということ⾃体が好きなんですね。
この軸で考えても出てこない⼈のために、もう少しだけ掘り下げた⽅法をご紹介します。

(1)好きな分野と報酬を⾒つける

まず分野と報酬を把握する⽅法です。これには「抽象化」という⽅法を使います。ちなみにここでの報酬はお金以外のことを指しますので注意してください。
何かの分野に取り組み、報酬を得るということは、⾃分がお⾦などの社会的利益以外に何に喜びを持つのか?何が快感なのか?ということを知らなければ分かりません。
私の場合は「謎が解決し、真実が明らかになることで、⼈が真実に気づく」ということが報酬です。私は、⾳楽やアートやミステリーが好きなのですが、これらが好きな共通点は何だろう?と掘り下げた時に、「⼈に気づきを与える」という点が共通していました。このように、物事を抽象的にしていくことで共通点がわかっていきます。

・(分野)「謎・難解な問題」→ビジネス業界
・(報酬)「真実を明らかにする」→常識や社会通念を覆す

例えば私とあなたの共通点は、「⽇本⼈である」ということでしょうし、「⼈間である」ということでしょうし、もっと⾔えば「⽣物である」と、どんどん抽象化していくことができます。⾃分が利益に関係なく好きなものを並べて、それらの共通点は何か?と抽象的に捉えてみましょう。それによって、どんな分野でどんな報酬を得ることが⾃分の快感なのかに気づくことができます。

(2)好きな作業を⾒つける

作業に関しては、得意なことです。得意というのは、誰に命令されずとも苦痛なくできることを指します。「利益にならなくても常にやっている⾏動は何か?」を考えます。
私の場合、常に物事を疑って謎解きをしています。情報を集めて組み⽴てる。つまり、考えること⾃体が好きなのです。私の上位の才能は、「着想」と「内省」であるため、分かりやすく思考系の作業が得意というわけです。

(3)好きな環境を⾒つける

最後に環境ですが、環境というのは、「責任の範囲」「⼈間関係」「場所」という仕事をする上での周囲の環境から成り⽴ちます。「⾃由になりたい」という⼈は多いですが、⾃由というのは、何も決まっていないということです。これは、全てを⾃分で何に取り組み、何をするか、誰と関係するか、を自分で決定して切り開いて⾏かなければならないことでもあります。ただ、⾃由とは非常に不安定な状態でもあるため、本当に環境としての⾃由が好きなのかは疑わしいです。
⼈によっては、「指⽰をされたい」⼈もいれば、「指⽰をしたい」⼈もいますし、「⾃分で決めて⾃分で動きたい」⼈もいます。変化と挑戦が好きな⼈もいれば、変わらないことをコツコツやりたい⼈もいます。つまり、どんな環境が⾃分にとって安⼼なのか?です。これは様々な環境を経験しないと、判断がつかない⼈も多いと思います。

好きなことを仕事にする事が難しい理由

ここまでで、「好きな分野」「好きな作業」「好きな環境」「好きな報酬」の4つ全てが明確になりました。
その好きなことを「社会に求められていること」に適合させることが必要になるわけですが、多くの場合、「好きなことを仕事にすることは難しい」と考えている⼈がいます。その理由は明らかで、「好きなことを求められていることに対して加⼯していないから」です。好きなことをそのままやっていても、社会には求められる可能性は極めて低いです。「好きなことをしているだけで仕事になった」という⼈がいたとしても、それは「ただの偶然」か、「社会の需要に合うように自分の好きなことを加工したか」のいずれかです。好きなことを仕事にすることが難しいのではなく、「好きなことがそのまま社会に求められることは稀である」、というのが本当のところです。

それぞれの企業によって求めている⼈材があり、やってもらいたい業務があるわけで、その業界や業務を好きになるかどうかは別問題です。また、起業をする人でならば、誰の何の問題や欲求を解決しているのかが不明な「単なる好きなこと」では事業にはなり得ません。好きなことを、他者の困りごとを解決できるもの、に加⼯することによってはじめて「好き」が確固たる「価値」になるのです。

好きなことを仕事にする⽅法

先ほど述べたように、好きなことがわかったら、それをそのまま仕事にするのではなく、次に「⾃分が好きな分野」で、その顧客たちが何に困っているのか?に⽬を向けることがポイントです。これを順番を間違えて、「儲かりそう」「需要がありそう」という客観から⼊るから、「好きなことを仕事にすることは難しい」「好きなことは儲からない」「売れない」となってしまうのです。

⼈⽣の4つのパターン

⼤きく分けると⼈⽣には以下の4パターンが考えられます。
(1)好きでもないことを仕事にする
(2)好きなことを仕事にして成功できない
(3)損得を考えて無難な快楽を求める
(4)好きなことを仕事にする

(1)好きでもないことを仕事にする

需要があれば、好きな仕事でなくても成功することはできます。成功するかどうかは好きかどうかとは⼀切関係がありません。しかし、幸せかどうか?⾃分の魂からエキサイトする⼈⽣を送れているか?と⾔えば、成功するだけでは明らかに不⼗分です。実際に、成功していても「楽しくない」「⽬標を⽴て続けなければならない」というジレンマに陥っている⼈はたくさんいます。これは「⾃分の成功」を優先にして「得をする」という基準で選択をしているため、好きなこと、好きな⼈には出会うことができません

(2)好きなことを仕事にして成功できない

逆に、「成功していなくても、好きなことをやっていれば幸せじゃないか?」と考える⼈も多くいますが、実際に好きなだけで、⼈に求められていなければ、まともな仕事にもならず、社会に認められていない感覚では、楽しいわけがありません。やはり⼈間である以上、⼈間の役に⽴って、⼈に喜んでもらう、⼈と喜びを分かち合うということが喜びであるという点は誰もが共通しているからです。これは「⾃分の好きなこと」を優先にして「得をする」という基準で選択をしており、社会や他⼈のことを考えていないため、成功したり、仕事になることはありません

(3)損得を考えて無難な快楽を求める

そもそも⼤して成功できないならば、損得を考えて、無難に楽しい⼈⽣を送ろうという⼈もいるでしょう。夢を追いかけたり、仕事を頑張るのも、苦労があるだろうし、そんな損をするくらいならば、それなりの仕事をして、毎⽇、好きなことをして過ごしていた⽅が楽しい。という感覚です。これは「損をしない」という基準で選択をしているだけであって、本当に好きなことをしているわけではないのです。

(4)好きなことを仕事にして成功する

対して好きなことを仕事にする、ということは、「損をしてもいいから好きなことをする」という⾃分のあり⽅が先にあり、次いで「仕事にするには、成功するには、社会のことを考える」という社会での⾃分のあり⽅を2段階で考えた結果です。⾃分の好きなことと、社会が求めていることの交点にしか、「好きなことを仕事にする」は実現しないのです。
これまで好きなことを仕事にすることについて解説してきましたが、好きなことを仕事にするということは、まず最初に「⾃分の在り⽅を定める」ということだということに気がついたでしょうか?
世の中に⽤意された職業を好きになることなんて、稀です。逆に、⾃分のあり⽅が定まっていれば、何をしようと、どんな職業や、業界や職務につこうと、⾃⼰実現ができるということです。

おわりに

ぜひ⾃分の好きなこと⾃体を疑って、掘り下げて、なぜそれが好きなのかを抽象化して⾒てください。そして⾃分の在り⽅が定まったら、社会が求めていることを客観的事実に向き合ってみてください。苦しいこともたくさんあると思いますが、必ず好きなことをして⼈⽣を送るということはできます。⾃分や仕事や⼈⽣の可能性を知ろうとしないまま、諦めないでくださいね。

坂井優介

坂井優介

会社の中のなんでも屋です。企画考えたり、資料やデザイン案を作ったり、たまに動画作ったり、ノーコードでアプリ制作なんかもしています。とにかく広く浅く面白そうなだと思ったことをなんでもやっています。 主な趣味は、夜釣り、夜通し麻雀、孤独キャンプ、燻製。

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